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2007.11.11

姜尚中講演会報告

○○○○○○○『憲法の生きる世界をめざして』
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○文責:事務局N

 2007年の参議院選挙で、民主党が第一党になり、参議院による多数派の抑制という立憲主義的な運用が期待されていた矢先に、突然降ってわいた大連立。姜尚中さんの講演会は、その大連立に対する危機感から始まった。

 大連立によって成し遂げられようとしているのは自衛隊の海外派兵であり、戦後半世紀の間、まがりなりにも存続してきた憲法九条の実質を変えることにある。安倍さんの「美しい国」は、選挙民の期待との著しいギャップの中で崩壊した。しかし、安倍政権の顛末は、憲法改正という大きな歴史的転換のための露払いの役目に過ぎなかったのであり、前座が退場した後、自衛隊の海外派兵という憲法改正の本丸が登場してきたのである。

 姜さんは、1970年代と21世紀初頭という二つの時点において韓国と日本を比較し、現在の日本社会が進みつつある道をビビッドに描き出した。
 70年代の韓国は、市民の自由を軍によって抑圧していた。それに対して、70年代の日本は、国民の多くが支持する平和憲法の下で経済成長の成果と自由を満喫していた。
 それから30年が経過した現在、韓国が民主主義の力で軍隊を統制することに成功したのに対して、日本の現状はどうであろうか。そう姜さんは問いかけるのである。

 安倍前首相の「美しい国」は、国家や社会が進んでいく道に批判的に対峙する人たちを「反日」というレッテルを張り、排除する危険性を持っている。教育基本法の「愛国心」は、国家や権力に対して忠誠を示すことであり、民主主義国家が存続していくために必要な「愛国」とは似て非なるものである。その路線が崩壊した2007年参議院選挙の結果が、自衛隊の海外派兵のための「大連立」だということになれば、日本の民主主義のあり方そのものに対して、深刻な懸念を抱かざるをえない。

 しかし、姜さんは未来に対して決して悲観していない。南北朝鮮の平和的な統一に向けての国際的枠組みが動き出しており、それが実現する可能性は十分あると考えているからである。
 その方向性は、日本国憲法第九条が指し示すところと同一であることは間違いない。平和こそが人権の前提であり、人権保障のためには何よりも戦争を避けなければならない。それが日本国憲法前文と第九条の思想である。
 東アジアの勢力図は、一方にアメリカ、もう一方に中国が存在し、中心に朝鮮半島と日本が存在している。ここで、朝鮮半島の平和に日本が寄与することが、21世紀の日本が世界に対して果たすことのできる「国際貢献」であろう。しかし、日本の市民が憲法九条を守らずして、その課題が達成されるであろうか。

 姜さんの視点は、形式上の国籍によって分類した「国民国家」という思想からは決して出てこない。かと言って、国民国家を超えるコスモポリタンの思想でもない。彼の視点は、確かに「愛国」である。国や社会が誤った道を進んでいると確信したとき、自らの不利益を省みず、国や社会に対して批判的な意見を述べることこそが、真の「愛国」であるからである。
 しかし、「在日」という立場を積極的に引受けようとする姜さんの「愛国」は、これまでの「国民国家」の「愛国」ではないところに新しさがある。そして、「国民国家」の「愛国」が、しばしば「民族主義」=「排外主義」に陥る危険性があるところからすれば、姜さんの視点は、21世紀の世界とアジアが「排外的愛国主義」を克服し、諸民族の共生社会を実現していくために必要なものであろう。

 姜尚中さんは、平和な社会を実現するためにお互いに努力をしつつ、その成果を確認するために5年後にまた会いましょうと述べて、講演を締めくくった。
 5年後、人権保障と平和が今よりも実現されている社会になっているかどうか、批判的市民の力量が問われるであろう。

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2007.11.10

講演会から1週間

 製造年月日の偽装問題が何かと騒がしい昨今。賞味期限をごまかすなんてとんでもないこと。

 そんなご時世にあって、はやくも1週間も過ぎてしまった講演会の報告なんて、期限切れも甚だしく、言い訳のしようもありません。

 しかも、しかも。
 あろうことか、詳細な報告ができていないという……。
 ただ、敢えて記しておくならば「近い将来、皆兵制またはそれに近いような制度が出来上がってくる気がしてならない」という話に「確かにその可能性はあるかも」と、薄ら寒さを覚えた自分がいました。

 何はともあれ、近々に報告を載せるようにするとして、今は写真だけで茶を濁す。(ほんと、ゴメンナサイ)

「講演会写真(PDFファイル)です」
注:保護がかかっていますので、印刷などはできません。

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